戯言以下

三年前。それは当時同級生だった友達がファンであったことから始まった。幼いころから親しんできたジャニーズ。何かと感化されやすい自分の世界に新たな島が三つ出来た。そのうちの一つが「KAT-TUN」だ。ファンではなかった自分だがもともと気に入っていた曲はあり、それらを聴きたくて友達にアルバムとシングルを借りた。あの時自分は何のためらいもなく、目当ての曲だけではなく貸して頂いたCDの中の全曲を音楽プレイヤーの中に落とし込んだのだ。そうしていなければ、自分は後に起こる二年前のあの事を、あのシューイチを視界には入れていなかっただろう。

初めて四人で立ったスタジオでのVTR。それぞれの思いを口にした四人。決意の表れだった初めての単独カウコンと、ファンミーティング「新春勝詣」。その直後に自分は何枚もやり直して一枚の振込用紙を書き上げていた。映像の中でも、足を運んだ会場の中でも、彼らは自分に素晴らしいものを見せてくれた。徐々に(去っていった彼らも踏まえて)彼らに対しての愛情が増していることに気付いたのは、そう遅くはなかった。

あの紙には四人のうちの一人の名前を書いていた自分だが、今更ながらに思うこと。

自分は四人のKAT-TUNが大好きだ。


あの日を境に、これがもうすぐ「過去」になってしまうとは、予測していなかった。あのいつものにこやかな顔は覚悟を決めた一人の成人男性の真剣な表情に変わっていた。隣にいた三人の硬く、何回も見ていく程に悔しさや悲しさがもうあふれ出す一歩手前だと感じざるを得ない表情。いつものように笑顔で華麗に踊る彼と、声もダンスも様々な感情を浮かべた顔も全てが痛々しかった三人。涙なんて出てこない。「なんで」「どうして」「嘘だ」が頭を埋めていた。

ラブメドレーのかつんは殊更見ていられなかった。顔や歌声、ダンス、サビでのフォーメーションまでが三対一になるなんて。ああもう見られない。こんなにかっこいいのに。こんなに見ていて切なくなるのは初めてだった。

終わった後、ひたすら泣いた。フォロワーさんを困らせているのはわかっていたが、鼻が詰まるまで大泣きした。訳が分からなかった。悲しかった。切なかった。悔しかった。次の日も泣いた。LINEで大量のメッセージを送ってしまった。その都度思い出されるのは、キラキラした楽しそうな笑顔と、彼がどれほどKAT-TUNを愛していたか。

なかまるくんのことを「お兄ちゃん」だと思っていると言ってくれた。一緒にプライベートでも遊んでいた。彼の抱える責任感の話を隣で聴いていた。うえだくんにずっとマコリーンしていた。不器用なツッコミに嬉しそうな顔をしていた。うえぴーうえぴー連呼して弟みたいだった。かめちゃんと一緒になってボケていた。笑いを取りに行って笑わせてくれた。仕事とプライベートで呼び名を変えていた。

クォーターの時の吐く件で「楽しいな」と口にしていた。本当に楽しそうだった。いつもいつも。ずっとそうだった。


ねえたぐちくん。

じゅんたぐであなたの気持ちを少しだけ見れたような気がするけど、自分が馬鹿なだけなのかな。理解できないよ。納得いくほど整理がつかないよ。もっと知りたいよ。どうしてこうなったのか、あなたの口から、その優しいトーンで、聞かせてほしいよ。欠けてほしくない。もっと見ていたいよ。もっともっと魅了して、ついて来いよって言ってほしい。

でも、もうこれ以上言うつもりはないんだろうね。それだけは何となく感じた。

嫌いじゃなくて、最初からずっと好きだったことは忘れないから、最後まで完璧にKAT-TUNをやり遂げてください。そしてその時にはちゃんと「さよなら、ありがとう」って言わせてください。

これからの予定も何もかも未定だけど、もし存続して三人のKAT-TUNになったらこれまで通りに愛せるのだろうか。まだわからないぐらいには立ち直れてはいないが、きっと今よりもっとすごいものを彼らは見せてくれるはず。ハイフンと名乗り出してからまだまだ日は浅いけど、彼らがいかにやってくれる人たちだか身をもって学習したつもりだから。できることをして、悔いを残さず、華々しく十周年を迎える用意をしていこうと思う深夜帯。皆様いかがお過ごしでしょうか。